そらのね学園*オルタナティブな小学校

「そらのね学園」は、2018.5〜2021.4に埼玉にあった、小学生のための小さな学びの場。

2020年のそらのね学園スタート

2020年、教育改革の年、
そらのね学園のスタートは15日からでした。
通常だったら、8日から始めるところなのですが、
通って来られているお子さん達は、
平日は学校へ通い、水曜日だけそらのねに来てくださっています。
(ハイブリッドスクーリングですね。)
なので、始業式に行かないのはどうかなと思い、
15日スタートとなりました。



そらのねの3学期スタート

1月15日 雨のち曇り 寒ぶーい

新しい年になり、初めてのそらのね。
現在参加のお子さんは2人です。

この日の予定は、
午前1コマ目・2コマ目は
お餅を作る&おせち料理カルタを作ろう
午後3コマ目
書き初め
4コマ目
作ったカルタで遊ぼう

です。

久しぶりのそらのねなので、
Kくんは、たまっていた話がいっぱいあったようです。
おしゃべりがとまりません。

もう1人参加の女の子Hちゃんが車の渋滞で
遅れていたのを待っていたのですが、
お餅の出来上がりの時間を考えて、
先に準備を始めました。

お米を研ごうと思ったら発見‼️
「普通のお米も混じってるよ。」と。
お米たくさんある中から一粒見つけたのもすごいけど
お米の違いにも気づいたんだね。

お米を研ぐお水が冷たい!
発見したり、肌で感じたりしながらの準備。
五感が育まれている事を感じます。

洗ったお米を機械にポン❗️
その後も、機械の回転する音や餅米の炊き上がる匂いなど
に気づくたびに歓声を上げていました。
機械の中で、コネられるお餅の様子が面白いようで
何回も覗き込んでいました。

こうした心動かされる時間を
今年も大切にしていきたいですね。


手作りカルタ

機械がお餅を作っている間、
おせち料理カルタ作り。

昨年度、子ども達とカルタ作りをして
とっても楽しかったので、今年もおこないました。

soranone-school.hatenablog.com
昨年の作った授業の様子はないのですが、
最後の方にどんなカルタを作ろうとしたのか出て来ます。
(カルタ作りの様子はいつか詳しく書きたいですが💦)

おせち料理カルタを作るにあたって
資料として、本を何冊も図書館から借りて持って来た子、
インターネットで検索して調べた子、とさまざま。

本を持って来た子は、
その中から、クイズになっている本があり、
クイズ形式のカルタにすることになりました。
「読まれた絵札を取るだけで終わりにしないで、
クイズになっている読み札の質問に答えられたら、
そのカードを取れることにする。」と
思いつきました。が、なかなか形にならず。
読み札の最初の一文字ではない部分が、絵札の一文字に
なっています。
その事で、自分の中で、どれとどれが一致する札か
わかりにくくなってしまいました。

でも、大人から見た、カルタは「こうあるべき」の発想から
大きく飛躍した、その子ならではのカルタ。
新しい発想が形になり、最後まで読み札を聞かなくてはわからないので
面白い遊びに発展しそうですね。
読み札を読む形に仕上げられたら完成!と思います。

遅れて来た子も、カルタ作りの途中から参加でしたが、
どんどん書き進めて、6枚のカルタが完成。
読み札も、音のリズムもいい文章にまとめられたり
絵札は、様々な角度からの料理の絵になっていて
見ていて楽しくなってきます。

カルタ作りがひと段落したので、
「調べる」ということにも考えてもらいました。
本で調べる方法もあるし、ネットで調べる方法もある。
その時の便利な点と注意点。

本当は、そらのね学園の授業内で、
調べることもしていきたかったのですが、
近くに図書館があるわけでも、
インターネットを閲覧する機材も整ってる訳でもないので
なかなかそこまでできないことが残念です。
時間をかけたら、彼らなりの新しい調べ方も出てくるのではないのかな
と思っています。

お昼になり、お餅もつけたので、カルタ取りは午後にしてお餅を丸めました。


できたてのお餅は美味しい‼️

Hちゃんは、食べやすいようにと、
かわいい小さめのお餅に丸めていました。
「カリフラワーみたい」なかわいいお餅です。

みんなで2合の餅米のお餅はあっという間に平らげて、
さらに、大家さんからいただいたお餅もペロリ。
育ち盛りということを実感しました〜。


書き初めは何を書く?

午後は、書き初め。
書道セットと書き初めセットの違いを知らなかったくめちゃん。
「書き初めなら、書き初めセットって言ってよ〜。」と言われちゃいました。
でもまあ、筆や硯はあるので、それぞれ書きたい字を描き始めました。
Kくんが、墨をするところから始めました。
時間かかるかもしれないけど、やってみたいところから始めてみるのは大切!
墨をすることで、集中することにもつながります。
墨汁もできて、様々な文字を書いていました。


Hちゃんは、くめちゃんのKくんは墨をすって集中して書いてるね、の
声かけを聞いて、
「私は集中して書けてないですよ」「どうせ私は…」と、
別のお部屋へ隠れてしまいました。
Hちゃんのことは、一言も触れていないけど、
誰かと比較されるように感じたようです。

もう1人のスタッフみほさんが、Hちゃんの様子を見にいき、
再び戻って来ました。
そして、筆で絵を描き始め、味のあるブタ子ちゃんが出来上がりました。

書き初めの様子です。


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後からお母様達から聞いたところ、
2人とも習字は書かないことが多いとのこと。
Hちゃんの場合は、書き直しができないという理由。
今日の授業中にも、そんな呟きがあったので、
何枚書いてもいいんだよとみほさんが伝えていたことと、
絵を描いてもいいんだ、というところから、
どんどん筆を使って書いていました。
Kくんは、好きな言葉であれば、
どんどん書き進めることができたし、
墨をするという、作れるものは作りたい気持ちの大きい
部分も満たされたりで、書き続けることができたのかもしれません。

書道一つとっても、「こうあるべき」が強くあり、
子ども達のあり方が満たされていない、ということを
スタッフ間で実感しました。
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書き初めの途中から、
大家さんとそらのねをマッチングしてくださった
県の職員さん、と大家さんが見学に来られました。

最初誰?って感じだったけれど、
すぐに自分たちのペースに戻れるのがそらのねっ子ですね。
県の方の感想、了承を得ましたので、ご紹介致します。




こどもたちがとても楽しそうで、活き活きとしていた。
画一的な学校のような空間で個性を発揮できない子どもたちも、
このような場所であればのびのびと個性と能力を発揮でき、
生きていることを実感できる。
まさに生きる力を育む場所であり、こうした場所が必要であると感じた。
子供たちの将来がとても楽しみだと感じた。
閉ざされた空間としででなく、大家さんのように
地域の皆さんとのかかわりの中でこうした運営がなされていることが素晴らしいと思った。
お引き合わせでお手伝いができて本当に良かったと思う。
できればこの場所で続いてほしいと思った。
このような場所がたくさんできるといい。


こちらこそ、このような場所と繋いでくださって、感謝でいっぱいです。
子ども達と地域の大人達との場を大切に創っていきます‼️


手作りカルタ大会‼️

書き初めが終わった後は、メタメタでカルタ取り!
Hちゃんの伝統的なカルタから。
テンポのいい文章とHちゃんの声に聞き入りました。
そして、Kくんは参考にした書籍を見ながらのカルタ。
最初の文字では見つけられないので、
みんなどれだろう、とじっくり考えていました。

自分の発見した、おせち料理の由来、みんなにシェアすることで
そんな意味もあるんだね、と、新たな発見へとつながり、
みんなでカルタ取りをする事で、さらに自分が作り上げたものが
みんなと楽しい時間を過ごすこととなる、
学びの理想のサイクルに入りました‼️

今年もそんな授業を目指していきたいです。

最後になりましたが、
昨年10月より、
代表が佐々木郷美となりました。
本年もよろしくお願いいたします。